アカデミアを離れてみたら 岩波書店編集部 編

販売価格 2,200円(内税)
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四六判 246p
大学などの学術界から「外」に出た博士たちは、何を感じ、どう生きているのか。研究の経験は、その後にどう活かされるのか。企業の研究職から官僚そして指揮者まで、主に理系の博士号取得者たちが、酸いも甘いもひっくるめて語りつくす。21人の目は「外」の世界をいきいきと映し出し、そしてアカデミアのいまを見つめる。

〈本文より〉
アカデミアを出たことで、就職に対する考え方は変わりました。アカデミアにいたころは、「就職は負けたやつがすることだ」という価値観に毒されていて、就職したら何かが終わると思っていたのです。でも、実際に就職してみたら、別に何も終わらなかった。
――原田 慧(データサイエンティスト)

7年続けて、これ以上やるのは違う、と思いました。50歳になったときに、私には何が残るのだろう? と考えたとき、今の自分は望む未来に向かえていない気がしました。このままではいけない。成長しなければ。いい機会だし、一度やってみたかった民間に転職しよう。そう思いました。
――山根承子(起業家)

本当に、寂しかったですよ。アカデミアを離れてみたら、三途の川があった。
――嘉田由紀子(政治家)

会社を作るというのは、想像以上に難しいことで、自分自身にも全然わかっていなかった。目論見を実現するための経験がなかったのです。
――金井良太(起業家)

オフィスの窓から気持ちの良い青空が見える日は「野外で調査したい!」という衝動に駆られることも事実です。しかしその一方で「安定した今の暮らしを手放せない」と思うこともまた事実です。研究も大事でしたが、それ以外の時間も大事です。両立ってこんなにもままならないのかと思います。
――牧野崇司(データサイエンティスト)

今、わたしは市井に生きていますが、わたしにとって大切なことは、自分のいのちを輝かせて生きているかということです。わたしの人生がわたしを通して実現しようとしていることは何なのか。そのことにしっかり聞き耳を立て、自分のいのちを燃やしたいと思います。
――岩野祥子(農業ビジネス)

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