文庫版 352p
文字よりも古い歴史をもつといわれる地図には、その時代の人々の世界観が描かれる。それは豊かな想像力と確かな科学や測量が融合した、時代の観念の具象化だった。世界と日本それぞれに、人類はどのような観念を地図に描き、そして現実の世界とつなげようとしてきたのか。斯界の泰斗が、興味深い数多くのエピソードに160点超の豊富な図版を交えてつづる地図の歴史。長く読み継がれてきた歴史地理学の入門書、待望の文庫化!
世界篇
第1章 地図の起源
第2章 ギリシア・ローマ時代の地図
第3章 中世における世界図の退歩
第4章 近代地図のはじまり
第5章 地理的発見時代の地図
第6章 世界図における新大陸
第7章 メルカトルから近・現代地図へ
第8章 中国における地図の発達
日本篇
第1章 古代および中世の地図
第2章 近世初頭の世界図の発達
第3章 鎖国下の江戸時代の地図
第4章 蘭学と世界図
第5章 伊能忠敬の実測日本図の完成
第6章 北辺地方の探険と地図の発達
第7章 ヨーロッパの地図にあらわれた日本図の変遷
第8章 明治以降における近代地図の発達