文庫版 464p
莫大な富を求め、命を賭して未踏の地へ向かった大航海時代。とりわけ東南アジア島嶼部バンダ諸島を産地として知られていた香辛料ナツメグは黄金を凌ぐ価格で取引されるようになり、島の覇権をめぐってオランダとイギリスが凄惨な争いを繰り広げることになる。
イギリス東インド会社の船長コートホープはバンダ諸島のなかでも暗礁に囲まれたルン島に上陸、島民を味方につけてオランダ勢と闘うも謀略の果てに殺される。しかし、ルン島と引き換えに、イギリスは将来とほうもない価値をもつものを手に入れることになった。それはいったい何だったのか? 航海日誌や書簡類など膨大な史料を渉猟して描く歴史ノンフィクション。