四六判上製 352p
米やパンの主食、コーヒーやチョコレート、さらには木綿のシャツも、その原料はすべて種子。
文明発祥からアラブの春に至るまで、歴史に大きな影響を与え、身近で生活に欠かせない存在だが、その驚異的な能力はいまだ謎に包まれている。
前作『羽』で数々の賞を受賞した著者が、アマゾンの熱帯雨林からアメリカの穀倉地帯や種子銀行まで駆けめぐり、種子をめぐる自然と人間の営みを紹介しながら、種子の不思議な世界を探る。
二千年近く休眠していたナツメヤシの種子、メンデルの有名な実験の再現、カフェインが進化した理由、ネズミと種子の軍拡競争、スパイスを探したコロンブスや種子毒を使った冷戦時代の暗殺事件など、多彩な話題を通して種子の奥深い世界が楽しめる、知識と冒険と驚きの詰まった一冊。