マイマイは美味いのか 人とカタツムリの関係史 盛口満 著

販売価格 2,640円(内税)
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四六判 278p
歌にうたわれ、子どもの遊び道具や食用、薬用、信仰の対象となる一方で、害虫としても扱われきたカタツムリ。琉球列島をはじめとする南の島々を主なフィールドに、現地での探索や聞き取りを通し、その多様な姿と人々の営みとの関わりを探る冒険の書。私たちが、どこから来てこれからどこへ向かうかを問う「シン・蝸牛考」。

目次
はじめに
第一章 カタツムリと私たち
 「よっこいしょういち」
 横井庄一とアフリカマイマイ
 カタツムリとの関わりをさぐる
 私たちの認識
 カタツムリは虫か?
 カタツムリ=ヤドカリ説
 ナメクジの分類学的位置づけ
 カタツムリの個別名
 学生たちの認識の例
 アフリカマイマイは毒?
 カタツムリを踏んだことってある?
 カタツムリの定義
 緑のカタツムリ
 足元のカタツムリ

第二章 ヤマトにおけるカタツムリと人
 柳田國男「方言周圏説」
 蝸牛歌
 カタツムリを食べる
 薬用としてのカタツムリ
 キセルガイの仲間の利用
 夜泣きの貝
 信仰の対象

第三章 琉球列島における呼び名と遊び
 琉球列島でのカタツムリの呼び名
 徳之島におけるカタツムリの呼び名
 琉球列島の蝸牛歌
 同一地域内での呼び分け
 カタツムリの墓
 チンナンオーラセー(カタツムリ勝負)
 時代による変化

第四章 カタツムリ食の文化
 無人島漂流記
 朝鮮人漂流記の中のカタツムリ
 朝鮮人漂流記の島々
 ヌングンジマとタングンジマ
 与那国島のカタツムリ食
 西表島・波照間島・黒島のカタツムリ食
 石垣島ではカタツムリを食べていた
 小浜島と竹富島のカタツムリ食
 宮古諸島でも汁にして
 沖縄島──南部ではアンダンスーなどにして
 沖縄島周辺離島の利用例
 沖縄島のカタツムリ食について聞き取った話
 遺跡のカタツムリ
 奄美諸島では?
 実食!!
 世界のカタツムリ食
 薬用やお守りとして

第五章 異世界をまたぐカタツムリ
 「害虫」でも「食材」でもあった
 民謡の中のカタツムリ
 「永遠」の歌とカタツムリ
 あの世とこの世を行き来するもの
 虫送りとカタツムリ
 カタツムリとアニミズム
 虫払いの変容
 妖怪とカタツムリ

第六章 アフリカマイマイは害虫か、 天与の恵みか
 夜間中学生の語りから
 モービルてんぷらとアフリカマイマイ
 アフリカマイマイは天与の恵み
 アフリカマイマイに関する聞き書き
 導入の経緯
 寄生虫の媒介
 南洋群島のアフリカマイマイ
 グアム島探訪記
 グアム島のカタツムリ
 引き起こされる危機
 大陸島と海洋島
 ハワイのカタツムリ
 カタツムリの歌
 ハワイにおける危機
 太平洋のカタツムリたち

第七章 無人だった島々のカタツムリ
 大東諸島
 ウフアガリジマ
 南大東島の歴史
 大東諸島のカタツムリ
 北大東島でのカタツムリ探索
 南大東島での探索
 大東諸島のカタツムリの危機
 過去を覗く窓

第八章 カタツムリの島
 常世のカタツムリ
 低島への興味
 生物文化多様性
 日本のグアム
 カタツムリの島
 与論島の生物文化多様性
 島を越えたつながり
 与論島の妖怪
 与論島の生き物の謎
 与論の名を冠するカタツムリ探し
 化石カタツムリの意味
 与論島のカタツムリ利用

 おわりに
  まとめ
  理科系のミンゾク学
  アフリカマイマイはおいしいか?

 あとがき
 文献注

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