文庫判 304p
ひそやかに光るきのこ、きのこ毒殺人事件、ナメクジは胞子の運び屋…
きのこ学の第一人者による魅惑のきのこエッセイ。
つくばの研究所に向かって下駄をはいて自転車をこぐ白髪頭の姿が度々目撃され、世界中の誰よりもきのこに詳しかった。
筆力の高さに定評があり、ときには筆をとってニコニコときのこの絵を描いていた。
知る人ぞ知るきのこ界のスーパースターの著書をはじめて文庫化。
■内容
新装版によせて
1きのこの形、きのこの成長
雷の落とし子/天地無用/ユダの耳/きのこに根はあるか/異常気象とショウゲンジ/マツタケ前線は南下する
2毒きのこ、薬になるきのこ
ひそやかな光/笑うきのこ/きのこ殺人事件/聖なるきのこ/ものは使いよう/ありがたいきのこ
3胞子の世界
産めよふやせよ/ひと夜の命/くさい奴/運び屋のナメクジ/お腹を空かしたチップモンク/ブタの好物
4菌糸・菌根のこと
城をきずく/山が吹く角笛/生きている化石/靴のひも/ぶくりょうつき
5きのこの栄養のとり方
シメジあれこれ/ランに食われる/落葉を食べる/由緒正しいヒラタケ/居候/きのこ糞尿譚
6きのこの分布・きのこの生態
きのこ狩り/コスモポリタン/追われるハツタケ/ヒョウタンから駒/クリのポックリ病
おわりに―きのこと菌類学
解説 藤井一至